NMNとNADにまつわる研究
2021.03.12|NMNまとめコラム
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は人間の体内でNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変化する物質です。
NADはアーサー・ハーデン氏によって1906年に発見されました。多くの生物の体内に存在している補酵素の一種で、酸化還元反応において中心的役割を果たしています。なおアーサー・ハーデン氏はイギリスの化学者であり、糖類の発酵に関する研究の業績が認められ、1926年にノーベル化学賞を受賞したことでも知られています。
2000年にはレオナルド・ガレンテ氏と今井眞一郎氏によるサーチュインに関する論文が発表されました。サーチュインという遺伝子が活性化することで健康維持に繋がる可能性があり、そしてNADこそがサーチュインに影響する物質であるというのです。
体内のNADは加齢により減少するという性質を持っています。ですがNADをそのままの形で摂取しても、細胞へ取り込まれにくいことが判明しています。そこで今井氏が着目したのが、NADの生化学的前駆体であるNMNです。
NMNというのは、生物の体内で元々作られている他、身近な食材に含まれている物質の一種でもあります。そしてNMNを食事という形で経口摂取することで、体内にて組織に移行しNADに変換されやすいことが分かっています。NMNは果物や野菜、特にアボカドや枝豆等に多く含まれているものの、加齢とともに体内での合成量が落ちることから、食事だけで必要量をカバーするのが難しくなっていくのではないかと今井氏は考えているようです。
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